地球貫通トンネル
前提
重力のみ考慮(遠心力等は無視)。地球は球体、密度一定。
Fig.1.1
地球の半径をR, 密度をρ、万有引力定数をGとする。
中心からa離れた地球内部の点Pの重力加速度はPより内部の質量(Fig.1.1の黄色の部分)による重力加速度をとし、外部の質量による重力加速度をとすると
eq.1.1
ここではz方向のみに働き
eq.1.2
である。
以下でを求める。
中心からr離れた球殻(Fig.1.1の青い円の部分)による重力加速度を考える。球殻の中でxz平面内のx軸と原点とを結ぶ線のなす角がθの点をQとする。Qをz軸周りに回転させた円(Fig.1.1の緑の円の部分)の部分による加速度はx方向、y方向成分がキャンセルされるのでz方向のみとなる。
Qの微小質量を、とするとz方向の加速度は
eq.1.3
Qをz軸周りに回転させた円による加速度は
eq.1.4
球殻による加速度は
eq.1.5
ここで
eq.1.6
として
eq.1.7
eq.1.8
なのでeq.1.5は
eq.1.9
ここで
eq.1.10
である。
eq.1.9とeq.1.10より
eq.1.11
よって
eq.1.12
なのでeq.1.1は
eq.1.13
となり、点Pより内部の球による重力加速度のみ考慮すればよいことになる。
Fig.2.1
地球上の2点P,Qと中心oを含む平面で、中心oを通りQPを結ぶ線に平行にx軸、中心oを通りx軸に垂直にz軸をとる(Fig.2.1)。
PQを結ぶ線上の位置Sにおける運動方程式を考える。
1)より地球の内部における任意の点Sの重力加速度は中心からの距離をsとすると
eq.2.1
z方向には運動しないのでx方向のみの一次元で考えればよい。
eq.2.2
eq.2.2は単振動を表す。
のときの位置を、速度をとすると位置は
eq.2.3
となり、周期Tは
eq.2.4
となる。eq.2.4はθが消えているので地球上の任意の2点(中心からの距離が等しい任意の2点でもよい)を結ぶトンネル内の運動の周期は全て同じであることを示している。
、とするとT≒5061秒
となる。
また片道ではT/2≒2530秒 =42分10秒となるので、初速0で地球貫通トンネルを使うと地球上の何処でも約42分で行くことができる。
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